<輪島漆器青年会30周年記念事業>


とは何か?」

普段、お金を出せば簡単に仕入れることが出来る「漆」を理解すべく、始まった事業です。輪島塗を作っている職人さんを始め、塗師屋の跡継ぎたる輪島漆器青年会のメンバーですら、「漆はお金で買うもの(仕入れるもの)」と言う認識が当たり前でした。では、どのように漆は生み出されているのか? 知らない人ばかりでした。何故、「漆は血の一滴」とまで呼ばれるのか? 漆に対する有り難みが分かっていませんでした。この事業を通して、「漆」を理解し、それにともない、自分たちの製造する商品に接する姿勢も変わってきています。


ポーラ伝統文化振興財団様について


---2004年度、3月に植えた「根」から生えた芽です。秋に植え替えとなります---

これが「木」になり漆が採れるようになるまで10年の歳月を要します。

---現在、土日祝日関係なく、朝5時半に起きて漆掻きに通っている漆畑です---

漆掻きは5日間に一回、と言う間隔で通います。雨の日は漆掻きが行えないので翌日にズレます。当然のことですが、草刈りなども定期的に行います。

---漆掻き7回目の木の画像です---

漆掻き最初は漆が出ませんが、傷を付けることによって木がその部分を治そうとして樹液(漆)を集中させます。5日後にまた一本キズを付けます。これを繰り返していきます。3回目(15日後)から漆が採れます。

---漆掻きの道具です---

岩手県浄法寺町で数セット作ってもらいました。右は漆の木の皮を剥ぐ道具、真ん中は漆の木にキズを付ける道具、左はそのキズから漆を掻き出す道具です。

---皮を剥いでいる様子です---

漆が流れている脈は、皮一枚隔てた裏側にあるので、剥ぎすぎないように慎重に行います。

---剥いだ様子です---

---キズを付けます---

キズは、深すぎても浅すぎてもダメです。薄皮一枚をキズつけます。まだまだ修行が足りません。

---漆がにじみ出てきます---

漆は一ヶ所キズをつける度に数滴出てきます。次にキズを付けるのは5日後です。この木は殺し掻きをする予定です。つまり、10年かけて育ちましたが、漆を採るために一年で死ぬことになります。漆の木は死ぬことによって、その周辺から新しい木が生まれてきます。


このように、漆の木は育てるのに10年かかる上、やっと育った木が死ぬまでに出す漆の量は木一本当たり牛乳瓶の半分程度。とんでもなく手間のかかる仕事です。育つ条件が厳しいので、芽から育つ10年間の間に大半の木が死んでしまいます。そのことを考えると、「漆は血の一滴」と呼ばれる由縁が理解できます。今までは、自分の会社で作業中に漆を床にこぼしても何とも感じていませんでしたが、こう言った体験をすることによって、自社製品の製造、漆の取扱いに対する姿勢も変わってきました。とても大変な事業で、今後もずっと続いていきますが、体力の続く限り、頑張っていきたいと思います。



<その他の活動>

2006/11/2〜5日石川県産業展示館2号館において小中学生を対象とした沈金教室を行いました。

また、小学校を対象とした沈金教室も行っております。石川県内の小学校ならどこへでも伺います。

この事業には助成金が出る為、学校側からの支出は一切ございません(無料です)ので、是非とも沢山の御応募をお待ち致しております。

皆さんも身近な伝統工芸に触れてみませんか?作成した輪島塗のパネルは各自で持ち帰って頂きます。

詳しくは2006年度輪島漆器青年会会計担当幹事/芝山佳範(しばやま よしのり)/携帯090-8967-1011まで

2006年度沈金教室訪問実績/金沢市立味噌蔵町小学校輪島市立大屋小学校輪島市立門前東小学校


今後とも応援の程、宜しくお願い申し上げます。