輪島塗漆器の製造工程はこちら(140KB)
< 以下、簡潔に、主な工程のみを説明致します。>
下地塗りです。木地(木をお箸の形に削ったもの)が中塗りや上塗りの漆を吸い込んでしまうので、先に腹一杯吸わせてあげる工程です。そうすると上塗りしたときに、表面がガタガタになりません。また、木地自体も丈夫になります。お箸を塗るときは漆器と違ってハケは使いません。かわりに「舟」と呼ばれるものがあり、その「舟」の入り口のゴム穴に突き刺す方法をとります。ゴム穴がハケの代わりをします。
中塗りです。「生漆」を使います。(中塗りは一回塗ると乾かすのに三日間かかります)
※漆は乾燥させて乾かすのではありません。湿気で固まります。ジメジメした空気があると固くなっていきます。お箸を乾かす(漆を固まらせる)時は「風呂」と呼ばれる押入のようなところにお箸を閉じこめます。先に「風呂」を霧吹きで湿らせておきます。塗ったお箸を立てている板は「手板」と呼ばれるものです。このお箸を立ててある「手板」を「風呂」に閉じこめます。
上塗りです。「朱合い漆」と言うものを使います。「朱合い漆」に赤色や青色の顔料を混ぜて赤や青などの色を出します。この漆は敏感な漆で、梅雨の時期などは、お箸に塗る前にジメジメした空気を吸って、変化してしまいます。除湿器を使って部屋の湿度を取ってから使用します。また、固めるのに約一週間かけて強弱の調整を行うので、毎日毎日、乾いてしまった「風呂」から霧吹きで湿らせた「風呂」へ、お箸を移動させてあげます。沈金や手がき蒔絵のお箸は、これを2回繰り返します。(通常一回です。)
絵付けです。通常、ハンコを使います。(沈金、手がき蒔絵は漆器と一緒です。)ハンコに漆をひいて、その上でお箸を転がします。固まるのが早い漆を使うので、時間と勝負の大変な作業となります。少し固まったところで下の「粉蒔き」に移ります。
粉蒔きです。固まりつつある絵付けの漆に純金粉を蒔きます。この作業が終わったら、霧吹きで湿らせた「風呂」に一週間ほど入れておきます。漆が固まる事によって金粉がくっつきます。漆は接着剤の代わりをするのです。固まった後、お箸の「持ち手」の部分を回転ノコギリで切断します。
天付けです。ノコギリで切った後のところをペーパーで平らにします。平らになった後、特殊な塗料をチョンチョンと指で塗ります。指にはゴムの指袋を付けて作業します。一週間ほど寝かせて完全に固まれば完成です。